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Ferroptosis Therapyフェロトーシス療法併用で完治の可能性を高める

フェロトーシス(Ferroptosis)という言葉が2012年のCellの論文(※1)や2015年のNature(※2)で初めて提唱されて以来、フェロトーシスという細胞死が提唱されています。
がん医療においてフェロトーシスを誘導するのは、アルテニシニンやアルテミシニン誘導体アルテスネイトです。これらは分子の中に鉄イオンと反応してフリーラジカルを産生するendoperoxide bridge を持っており、がん細胞は鉄を多く取り込んでいるので、その鉄と反応してフリーラジカルを産生し、がん細胞を死滅させるという作用機序が提唱されているのです。また、多くのがん組織で過剰発現しているSurvivin (抗アポトーシスタンパク質)を下方制御し停滞したp53遺伝子による腫瘍細胞のアポトーシス誘導を復活させることも分かってきています。

※1: Ferroptosis: an iron-dependent form of nonapoptotic cell death.
Cell. 2012 May 25;149(5):1060-72.
※2: Ferroptosis as a p53-mediated activity during tumour suppression.
Nature. 2015 Apr 2;520(7545):57-62.